中華そば べんてん

今年の夏、ネット上で突如飛び交った真贋不明の情報、「べんてん復活」。
関東近郊のラーメン好きであれば知らない人はいない高田馬場の超有名店だったが一昨年、惜しまれつつ閉店。
最終日には降雨をものともせず前夜から100人以上が列を成し、「開店5時間前に売切れ」という伝説を残した銘店である。

小生も学生の頃には文字通り毎週末、神田川沿いのガードレールを腰かけ代わりにして「ゾンビ」の一端となっていた。

社会人になり、地方勤務となったこともあって訪問回数は激減していたが、それでも数年に1度はあの味を懐かしんで高田馬場へ行ったものだった。
無論、閉店の報に接した際には会社をズル休み時間を無理やり調整し、早朝から7時間並んで最後の1杯を食べた。
いわば、小生にとっては「ラーメン好きとなった原点」とも言うべきお店である。

そんな、レジェンドでありまた小生としても思い入れのあるお店の復活の一報。
時を経て徐々にその情報が真実であると判明し、実際に開店するとやはり界隈は非常にかまびすしくなる。

ここはやはり、自身のその目で、その舌で確かめてみよう。

開店後3回目の週末となるこの日、ようやく自由時間を手に入れた小生は、早朝から列車を乗り継ぎ成増へと向かった。

途中、遅延により乗継が狂ってしまった上に突然の便意の強襲を受けたため、目的の地下鉄成増駅に到着したのは当初より30分も遅れて9時半を過ぎていた。
その分待ち時間が長くなることを覚悟していたものの、店の前に到着すると待ちは4人。
雨脚が強かったこと、連休初日であったこと、開店後ほどよく時間が経過していたこと、何より小生の日頃の行いが良かったこと等々様々な要因が重なった結果だとは思うがこれは僥倖である。
つとめて冷静を装いつつ行列に接続。結構な交通量の道路に面した道路沿いの建物に沿ってじっと直立し、新たな「ゾンビ」達は静かに開店の時を待つ。

午前11時、時間通りに開店。店に入ると、懐かしの店主が笑顔で「いらっしゃいませー」と迎えてくれた。心なしか、前店舗の閉店時よりもお元気になられた様子で一安心である。

まずは世界一おいしいスーパードライでブレイク。この日は気温が20℃を下回る肌寒い陽気であったが、それでも震えながら飲むスーパードライもまた一興である。
おつまみはおなじみのメンマと短冊チャーシューとネギ。辣油に加えて辛味がかけられており、けっこう辛い。そして、やはりべんてんのメンマは美味しい!
当初の予定ではつけ麺を食べる予定だったのだが、前述のとおりこの日は肌寒い気温だった上に半袖で長時間待っていたためすっかり身体が冷えてしまった。そのため、方針転換して塩ラーメンを並でオーダー。
針生姜に熱した油が「ジュッ!」という音とともに掛けられると、興奮は絶好調である。見た目にも美しい「ザ・レジェンド」。心していただこう。
スープはべんてんの特長である動物系をベースに魚介系を効かせたダブルスープ。塩ラーメンで食べるとその旨味と淡麗さが存分に味わえる。
何度食べても食べ飽きない味というのはまさにこのことで、この日もアッサリ完飲してしまったのは言うまでもない。

麺はツルシコの中太麺。見た目は昔よりも細くなり、また若干柔らか目に上げられているようだ。
そのためか以前よりも食べやすく、スルスルと胃袋に収まっていく。スープとの絡みも絶好である。
久しぶりの「べんてん」。当初は味わって食べようと思っていたものの、いざ現物を目の前にすると我慢できずに夢中で貪り食ってしまった。
並盛にしたこともあり最初に退店すると、店主に「ありがとうございましたー!またよろしくお願いします!」と笑顔で送り出された。
それだけでとても気持ちが良く店を出られる。
味だけではない何か。こちらのお店がお客さんを惹きつけてやまないのはこういった店主の姿勢なのだろう。
立地的に以前よりだいぶ遠くなってしまったが、それでも必ず再訪することを誓い、成増を後にした小生であった。

ごちそうさまでした。

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